AI音声生成サービスとして知名度の高いElevenLabs。
海外のAIサービスということもあり、
「日本語でも本当に自然なのか?」
「仕事のナレーションにそのまま使えるのか?」
「数字や金額、英語の商品名まで正しく読めるのか?」
と気になる方も多いと思います。
そこで今回は、ElevenLabsの無料版を実際に使い、日本語のビジネス原稿を音声化しました。
さらに、ElevenLabsだけを聴いて判断するのではなく、比較対象としてFish Audioでも同じ検証項目を含む日本語音声を生成しています。
先に結論を言うと、今回の条件ではFish Audioのほうが日本語を自然に感じました。
ElevenLabsも内容は十分理解できましたが、一部の読み方と全体的なAIらしさが気になりました。
一方、Fish Audioは日本語部分について目立った読み間違いがなく、かなり自然に聞こえました。
ただし、今回試したのは各サービスの1つのボイス・モデル・原稿です。
この記事では「ElevenLabsとFish Audioのどちらが常に優れているか」ではなく、今回実際に試した条件で何が起きたのかを紹介します。
- 今回の検証で確認したこと
- ElevenLabsで日本語を生成した結果
- 「3,300円」の読み方に違和感
- 英語のサービス名も確認
- Fish Audioでも日本語を生成
- Fish Audioの前半は非常に自然に感じた
- Fish Audioの後半は英語名称に少し違和感
- ElevenLabsとFish Audioの結果を比較
- Fish Audio公式のブラインド比較でもS2 Proが高評価
- ElevenLabsは無料でどこまで使える?
- Fish Audioも無料で試せる
- 商用利用する場合は無料版のまま使わない
- ElevenLabsが向いていそうな人
- Fish Audioが向いていそうな人
- 結論:今回の日本語テストではFish Audioが好印象
今回の検証で確認したこと
今回は、単純な短文ではなく、実際の仕事で読み間違えると困りそうな情報を含む原稿を用意しました。
確認したのは、主に以下の内容です。
- 数字
- 金額
- 日付・時刻
- 人名
- 会社名
- サービス名
- ChatGPTなどの英語名称
- 「9月28日ではなく9月30日」のような訂正表現
ElevenLabsでは「Hajime – Japanese Business & Narration」という日本語のビジネス・ナレーション向けボイスを選択し、Eleven Multilingual v2で生成しました。
Eleven Multilingual v2は、日本語を含む29言語に対応しています。
Fish Audioでは、日本語男性ボイスの「信ボイスver1.0」、モデルはFish Audio S2.1 Pro、速度は1xで生成しました。
比較条件についての注意点
今回の比較には1つ重要な注意点があります。
ElevenLabsでは原稿をまとめて生成しましたが、Fish Audio無料版では今回、入力文字数の上限に収まらなかったため、原稿を前半・後半に分けて生成しました。
さらに前半については、
「新規のお客様が164件、既存のお客様が123件です」
を、
「新規164件、既存123件です」
のように、数字や意味を変えない範囲で一部短縮しています。
そのため、完全に同一の文章を同じ条件で比較した実験ではありません。
この記事では、この違いを隠したうえで単純に優劣を決めるのではなく、日本語の仕事音声を実際に作ったときの参考比較として結果を見ていきます。
ElevenLabsで日本語を生成した結果
ElevenLabsで生成した音声は、内容そのものは問題なく理解できました。
聞いていて、
「何を言っているのか分からない」
というレベルではありません。
一方で今回のボイスと設定では、人が読んでいる音声と比べるとAIらしさを比較的感じました。
特に気になったのが、「8月」が不自然に繰り返されたように聞こえた部分です。
入力した原稿では意図的に「8月」を繰り返していません。
文字として正しい文章を入力していても、生成された音声を一度確認する必要があることが分かります。
「3,300円」の読み方に違和感
仕事用途で特に注意したいのが金額です。
今回の原稿には、
参加費は3,300円、ではなく無料です。
という文章を入れました。
ElevenLabsでは、この「3,300円」の部分が、自然な「さんぜんさんびゃくえん」という読み方ではなく、「サンセンサンヒャクエン」のように聞こえ、少し違和感がありました。
意味自体は推測できます。
しかし、料金案内や商品説明などでは、数字や金額は聞き間違いが起きると影響が大きい情報です。
ElevenLabsを仕事に利用するなら、生成した音声をそのまま公開せず、少なくとも数字・金額・日付は確認したほうがよいと感じました。
英語のサービス名も確認
原稿には、
ChatGPT
Google Gemini
Microsoft Copilot
という3つのAIサービス名も入れました。
日本語TTSでは、日本語部分が自然でも英語の固有名詞だけ発音が変わることがあります。
今回も、英語名称については日本語部分以上に注意して確認したいと感じました。
AIツールの紹介動画やIT系コンテンツなど、英語の商品名を頻繁に使う場合は、公開前に固有名詞を個別に聞き直したほうが安全です。
Fish Audioでも日本語を生成
ElevenLabsの結果が、
「ElevenLabs特有のものなのか」
「AI音声なら普通に起こるものなのか」
を見るため、Fish Audioでも同じ検証項目を含む文章を生成しました。
今回利用した無料版では、用意したビジネス原稿を一度に入力できなかったため、前半と後半に分けて生成しています。
長いナレーションを作る場合は、こうした1回あたりの生成上限もサービス選びの確認ポイントになります。
料金や利用可能量は変更される可能性があるため、実際に契約する際はFish Audio公式サイトで最新のプラン内容を確認することをおすすめします。
Fish Audioの前半は非常に自然に感じた
前半には、
287件
164件
123件
1,856万4,200円
12.6%
324万8,000円
10月3日
午後2時30分
150名
といった数字を入れています。
さらに、
高橋健太
大西美咲
ミライノート
株式会社アオバリンク
という人名・サービス名・会社名も含めました。
実際に音声を確認したところ、前半では読み間違い、明確な不自然さともに気になる箇所はありませんでした。
特に印象的だったのが音声の自然さです。
今回使用した「信ボイスver1.0」では、AI音声特有の違和感をほとんど感じませんでした。
もちろん、これは今回のボイスと文章を実際に聞いた際の主観評価です。
Fish Audioのすべてのボイスで同じ結果になるという意味ではありません。
Fish Audioの後半は英語名称に少し違和感
後半には、
ChatGPT
Google Gemini
Microsoft Copilot
9月28日から9月30日への訂正
3,300円から無料への訂正
9月20日
9月22日
9月25日
を含めました。
こちらも数字・金額・日付については、仕事上の意味が変わるような読み間違いは気になりませんでした。
ElevenLabsで違和感があった3,300円についても、Fish Audioでは大きな違和感なく聞くことができました。
一方で、ChatGPT・Google Gemini・Microsoft Copilotなどの英語名称については、本来耳にする発音とは少し違うと感じました。
内容が分からなくなるほどではありません。
しかし、英語の固有名詞についてはFish Audioでも完全に任せきりにはせず、確認したほうがよさそうです。
ElevenLabsとFish Audioの結果を比較
今回の実測結果を整理すると、次のようになりました。
| 確認項目 | ElevenLabs | Fish Audio |
|---|---|---|
| 日本語の自然さ | 意味は通じるがAI感を感じた | かなり自然に感じた |
| 数字 | 大きな意味の破綻なし | 今回は問題なし |
| 金額 | 3,300円に違和感 | 今回は問題なし |
| 日付・時刻 | 大きな問題なし | 今回は問題なし |
| 不自然な箇所 | 「8月」の重複が気になった | 前半では特に気にならず |
| 英語サービス名 | 確認推奨 | 少し違和感あり |
| 今回の日本語ビジネス用途 | 公開前の確認が必要 | 比較的そのまま使いやすい印象 |
今回のテストだけで判断すれば、Fish Audioのほうが日本語の自然さでは好印象でした。
ただし、ElevenLabsよりFish Audioのほうが常に優れている、という意味ではありません。
使用したボイスも違い、完全な同一原稿でもなく、各サービス1回の検証だからです。
ElevenLabsには多数のボイスと複数の音声モデルがあり、選ぶボイスや設定を変えれば結果が変化する可能性があります。
そのため、
今回の条件ではFish Audioのほうが自然だった
というのが、この記事で言える範囲の結論です。
Fish Audio公式のブラインド比較でもS2 Proが高評価
参考になるデータとして、Fish Audio自身も2026年にElevenLabsなどとのブラインドA/B比較を公開しています。
Fish Audioによると、10日間で5,000件を超える有効な比較データを集め、Fish Audio S2 Proが総合首位になったとしています。
ただし、これはFish Audio自身が実施・公開したテストです。
第三者機関による独立検証ではありません。
そのためツカエルカでは、このデータだけを根拠にFish Audioが優れているとは判断せず、今回実際に日本語音声を生成して確認しました。
ElevenLabsは無料でどこまで使える?
ElevenLabsには無料で試せるFreeプランがあります。
2026年9月8日時点では、Freeは月10,000クレジット、Starterは月6ドル・30,000クレジットです。
Starterから商用ライセンスが含まれます。
そのため、
まず無料版で自分の原稿を試してから、仕事で使えると判断した場合に有料版へ移行する
という使い方がしやすいです。
料金やプラン内容は変更される可能性があるため、契約時には公式サイトで最新情報を確認してください。
Fish Audioも無料で試せる
Fish Audioにも無料で試せるプランがあります。
今回の検証でも無料版を使用しました。
実際に使って気になったのは、無料版では1回に入力できる文字数に制限があり、今回のビジネス原稿を一度に生成できなかったことです。
そのため、前半と後半に分けて生成しました。
長いナレーションを作る場合は、このような生成上限もサービスを選ぶ際の確認ポイントになります。
料金や利用可能量は変更される可能性があるため、契約前にFish Audio公式サイトで最新のプラン内容を確認してください。
商用利用する場合は無料版のまま使わない
ここは特に注意が必要です。
ElevenLabsの公式ヘルプでは、Freeプランには商用ライセンスが含まれておらず、無料版で作成したコンテンツを商用目的には使用できないと説明されています。
また、無料版で生成した音声を非商用で公開する場合にも、ElevenLabsへの帰属表示が必要です。
Fish Audioについても、無料版と有料版では利用条件が異なります。
YouTube収益化や仕事のナレーションなど商用目的で利用する場合は、生成した音声を公開する前に、その時点の公式利用規約・プラン条件を確認してください。
無料で生成できることと、その生成物を自由に商用利用できることは別です。ElevenLabsを仕事で使う前には、無料版・有料版の商用利用条件と料金の違いも確認し、用途に合うプランを選びましょう。
ElevenLabsが向いていそうな人
今回の日本語テストではFish Audioのほうが自然に感じましたが、ElevenLabsを候補から外す必要はありません。
ElevenLabsは日本語を含む多言語の音声生成に対応し、Voice DesignやVoice Cloningなど、音声制作に関するさまざまな機能も提供しています。
特に、
多言語の音声を作りたい
さまざまなボイスから選びたい
音声クローンなども使いたい
日本語以外のコンテンツにも広げたい
という人は試す価値があります。
Fish Audioが向いていそうな人
今回の検証結果だけを見ると、Fish Audioをまず試してみてほしいのは、日本語ナレーションの自然さを重視する人です。
今回使用した日本語男性ボイスでは、数字や金額を多く含む文章でも大きな違和感がなく、前半についてはAI音声らしさをほとんど感じませんでした。
ただし、英語のサービス名には多少の違和感がありました。
Fish Audioについても、生成したら確認せずそのまま公開できるというわけではありません。
結論:今回の日本語テストではFish Audioが好印象
ElevenLabsとFish Audioで日本語のビジネス原稿を実際に音声化した結果、今回の条件ではFish Audioのほうが自然に感じました。
ElevenLabsでは、
「8月」の不自然な重複
3,300円の読み方
全体的なAIらしさ
が気になりました。
Fish Audioでは、日本語部分について大きな読み間違いや違和感はありませんでした。
一方、英語のサービス名については少し違和感があります。
そのため今回の結論は、
日本語の自然さを重視するなら、ElevenLabsだけで決めずFish Audioも実際に試して比較する
です。
どちらも無料から試せます。
サービスの宣伝文句や評判だけで選ぶより、自分が仕事で実際に使う文章を入力して、数字・金額・固有名詞まで自分の耳で確認する。
そのうえで有料プランを選ぶほうが、失敗するリスクを減らせます。
AI音声だけでなく、仕事で使うAIの精度を実測したい方は、「文字起こしAI3社を同じ音声で実測比較した記事」も参考にしてください。
ツカエルカでは、これからも「便利そう」という印象だけで判断せず、実際の仕事に近い条件でAIサービスを検証していきます。


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